INTERVIEW

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DEERHOOF(ディアフーフ) JAPAN TOUR 2014 記念スペシャルインタビュー

  • 2014.12.01
今年でバンド結成20周年を迎えたディアフーフ。新作『La Isla Bonita』には、今なおフレッシュな輝きを失わない好奇心と実験精神に満ちた音が詰まっている。“パンク”を意識してプリミティヴなパワーを全開にしつつ、初めて外部からプロデューサーを招いてヴォーカルにこだわったりと、より過激に、よりポップにディアフーフを極めた新作について、サトミ・マツザキ(ヴォーカル、ベース)に話を訊いた。

———— 今回のレコーディングはどんなふうに進めていったのでしょうか?
いまメンバーはばらばらな場所に住んでいて、エド(・ロドリゲス/ギター)がポートランド、ジョン(・ディートリッヒ/ギター)がアルバカーキ、私とグレッグ(・ソーニア/ドラム)はブルックリンにいるんです。だから、なるべく効果的にレコーディングしようと思って綿密にスケジュールを立てました。まず、エドの家の地下室で10日間かけて楽器のパートをレコーディング。その一ヶ月後に一週間かけてブルックリンでヴォーカルを録りました。

———— 今回のアルバムで意識したことはありますか?
DIY/パンクですね。もともと、ディアフーフはそういうバンドなんですけど、去年のアメリカ・ツアーで15年ぶりくらいに学生達が主宰するパンクのショウに招待されて、飛び入りで3曲くらいやったんです。その時に何だか目覚めたような気がして。モニターの音は無いし、サウンドチェックも無し。ほかのバンドの壊れかけた楽器を借りて、突っ走るようにやった演奏が新鮮だったんです。観客の反応もスゴく良くて。その感動をレコーディングに反映できたらいいな、と思いました。

———— ファースト・シングルになった「Exit Only」は、まさにそんなパンキッシュな勢いに満ちた曲ですね。
この曲は「ラモーンズみたいにライヴで爆発できる曲を作ろう!」と思って、すぐにできた曲です。私がアメリカの入国管理局で悩まされたことを題材にしているんですけど、こんなふうに大きな声で歌うのは10年以上ぶりかも。

———— そういえば今回、ピッチフォークのスタッフであり、レーベル、GODMODEを主宰しているニック・シルヴェスターがヴォーカル・プロデュースを務めていますね。ディアフーフが外部からプロデューサーを招いたのは初めてだと思うのですが、これはどういった経緯で?
ニックは『Runners Four』以来のディアフーフのファンなんです。彼はNYに住んでいて、たまに話をしたりするんですけど、彼の方から〈ぜひプロデュースをしたい〉と言ってくれたんです。これまでプロデュースをつけたことがなかったので、良い経験になるに違いないと思ってお願いしました。今までトライしたことがない声の表現やハーモニーなど、いろんなアドバイスをしてくれて、ヴォーカルに深みが出たと思います。

———— そのせいか、アルバムにはいつもより情感豊かな雰囲気もありますね。「Mirror Monster」のハーモニーとか。
私もこの曲のハーモニーは大好き。この曲は税金の40%を戦争の資金に使っているアメリカ政府の矛盾について歌っているんですけど、悲しい現実と美しいハーモニーがコントラストを描いているんです。

———— 「Oh Bummer」では珍しくグレッグがメイン・ヴォーカルをとっていますね。美しいメロディーとヒステリックなギターの組み合わせが悪夢めいた世界を作り出してます。
これはエドがギターで作った曲。空間がどこまでも広がっていくような冷たい朝を感じさせるエドらしい音です。グレッグが歌うことを前提にしていたわけではないですけど、私がドラムを叩きたいといつも言っているので、それならどうぞ、とスイッチしてレコーディングしました。

———— いっぽう、「Big House Waltz」は曲の構成や展開はトリッキーでディアフーフらしいサウンドが爆発してます。サトミさんの「レディース・アンド・ジェントルメン!」という掛け声といい、まるでサーカス小屋に迷い込んだみたいな。
確かにサーカスですね! 笑いあり、スリルありの。私がiPhoneのアプリで作ったデモから曲を作り上げていったのですが、ドラムのレイヤーを重ねすぎて、グレッグがナマのドラムで再現するのに苦労していました。それに比べて私のベース・パートは一音を歪ませているだけ(笑)。

———— この曲に限らず、ディアフーフの曲は演奏するのが大変な曲が多そうですね。
「Last Fad」も私がiPhoneでデモを作ったのですが、ギター・パートが難しすぎて、エドとジョンが四苦八苦しながら何時間もかけてそのリフを練習するはめになったんです。私とグレッグはそれを見てずっと笑ってました。その様子はYouTubeで見ることができますよ。

———— ぜひ見てみます(笑)。あと、オープニング曲の「Paradise Girls」はジョーン・ジェットやキム・ゴードンなど女性ミュージシャンに捧げた曲だとか。
女性を応援するチアリーディング的な曲です。これから女の子にどんどん前に出て行ってほしいと思って歌いました。キム・ゴードンは女性ミュージシャンを代表するカッコいい女性ですよね。ベーシストだし、自分にとても共通する人だと思ってます。

———— 女性ミュージシャンといえば、アルバム・タイトル『La Isla Bonita』はマドンナの曲を連想させますが何か関係はありますか?
このタイトルはエドの奥さんが思いついたのですが、みんなで「これだーっ!」って思いました。美しい島には隠れた危険がいっぱい。ディアフーフもそんな危険な部分を隠し持っているかも。

———— そんなディアフーフは今年で20周年を迎えました。人間なら成人式を迎える年齢ですが、バンドとして大人になった気がします? それともまだキッズな気分?
半分半分かな。あっという間の20年で、ローリング・ストーンズくらい長くやらないと何とも言えないですね。ディアフーフは楽しい学校みたいな感じで、気がついたら“大人”になってました。これからも仲良く一緒に年を取っていきたいな、と思わせてくれる貴重なファミリーです。


interview & text 村尾泰郎
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  • 2014.10.22 On Sale
  • PECF-1111 / felicity cap-213
    [CD] ¥2,100 with tax
    ※日本先行発売

<TRACK LIST>

  • Paradise Girls
  • Mirror Monster
  • Doom
  • Last Fad
  • Tiny Bubbles
  • Exit Only
  • Big House Waltz
  • God 2
  • Black Pitch
  • Oh Bummer
    +ボーナストラック収録予定(曲目未定)
VIDEO


PROFILE
DEERHOOFディアフーフ
DEERHOOF(ディアフーフ)  JAPAN TOUR 2014 記念スペシャルインタビュー1994 年にサンフランシスコで結成以来、真にインディペンデントで自由な精神を守りながらも絶え間なく変化し続けてきた奇跡のロック・バンド。その旺盛な制作意欲と尽きることのない音楽的アイデアの豊富さには他の追随を許さないものがあり、トム・ヨーク(レディオヘッド)、ウェイン・コイン(フレーミング・リップス)、ジェフ・トゥイーディ(ウィルコ)、デイヴ・グロール(フー・ファイターズ)、クエストラブ(ザ・ルーツ)、デヴィッド・ボウイ、デヴィッド・バーン、アル・クーパーなど、様々バックグラウンドを持つアーティストたちから多大なリスペクトを受けている。天性のポップ感覚とワイルドなロック魂が融合するライヴ・パフォーマンスも圧巻。ザ・ナショナルのデスナー兄弟が運営するレーベル、ブラスランド所属のアーティスト、People Get Ready の新作をグレッグがプロデュースしたり、あのジャド・フェア率いるハーフ・ジャパニーズによる13年ぶりの新作をジョンがプロデュースしたりと、メンバー各自の活動もますます充実しており、目が離せない。

日本公式ツイッター
https://twitter.com/deerhoofjp

日本公式タンブラー
http://deerhoofjp.tumblr.com/
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  • PECF-1111 / felicity cap-213
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<TRACK LIST>

  • Paradise Girls
  • Mirror Monster
  • Doom
  • Last Fad
  • Tiny Bubbles
  • Exit Only
  • Big House Waltz
  • God 2
  • Black Pitch
  • Oh Bummer
    +ボーナストラック収録予定(曲目未定)
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