INTERVIEW

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DEERHOOF “FEVER 121614" リリース記念 "サトミ インタビュー"

  • 2015.11.03
DEERHOOF “FEVER 121614" リリース記念 "サトミ インタビュー"

Interview&Text : 村尾泰郎
Photo : タイコウクニヨシ

昨年、バンド結成20周年を迎えたUSインディー・シーンの至宝、ディアフーフが初のライヴ・アルバム『FEVER 121614』を完成させた。昨年、11都市13公演で行われた日本ツアーのなかから、12月16日に行われた東京の新代田FEVERの演奏を収録した本作には、ライヴバンドとしてのディアフーフの魅力がたっぷり詰め込まれている。予想のつかない展開。鉄壁のバンド・アンサンブル。胸躍るポップさ。スリリングでエンターテイメントなロックンロール・ショウを体験できるこの最強のライヴ・アルバムについて、ヴォーカル/ベースのサトミ・マツザキに話を訊いた。

― これまでライヴ盤を出す話はなかったんですか?
一回自分たちで集めたライヴ音源をオンライン・アルバムとして出したことがあるんですけど、その時はライブで披露できるヒット曲数が少なかったんです。まだエド(・ロドリゲス)が入る前だから、結構昔だと思うんですけど。それでそのまま、なんとなくライヴ・アルバムは出さないできて。今回はフェリシティからのアイデアだったんですけど、録ってもらったFEVERの音源を聴いてみたら、面白いと思ったんです。20年やってきて、やっと今、ベストヒットみたいなライヴができるようになってきました。どの曲がライヴで一番みんなに伝わるかがわかってきたから、今なら自信を持ってライヴ盤を出せると思ったんです。

― FEVER以外の公演も録音してたんですか?
はい。日本ツアー中のライブはほとんど全部録っていて、その中でFEVERが特に良かったです。

― この日のライヴで憶えている事は何かあります?
ラインナップが面白かったですね。パンク・ロックな感じで。しかもハコ(会場)が小さくて、そこにお客さんがパンパンに入ってました。だから、そのエネルギーも加わって。あと、トクマルシューゴ・プラスでグレッグ(・ソーニア)がゲストでドラムを叩いたりして、とても楽しかったです。

― 新作『ラ・イスラ・ボニータ』のパンキッシュなサウンドと会場の雰囲気があってましたよね。
そうです。『ラ・イスラ・ボニータ』でやろうと思ってた方向性とマッチしてる環境だったんで、より盛り上がったっていうのもありますね。『ラ・イスラ・ボニータ』を作る前、ブルックリンの新生バンドとツアーをしたんですよ。その時、オフの日なのに彼らが〈友達のベースメントでショウがあるから、ディアフーフもゲストで出ない?〉って誘ってくれて、最初は〈え?オフなのに〉って思ったんですけど(笑)、友達として遊びに行って、そこにある機材で演奏したんです。そしたら、すっごい盛り上がって。モニターもなしでやったんですけど〈あ、ディアフーフ、まだまだこういうDIYスペースでもいけるのかな?〉って思ったんです。

― とにかく、今回のアルバムを聴くと、バンドの演奏、鉄壁のアンサンブルに圧倒されます。ギターの存在感も強烈ですね。
いつも〈ギターはヘヴィにして、ドラムはそんなに前に出さないで〉ってサウンドの人にお願いしています。ヴォーカルもギターと同じレベルで、ひとつのパートが前に出ないような感じにして、ちゃんと(楽器の)ハーモニーが聴こえるようにお願いしています。

― すべてのパートが均等に聞こえるように?
そうです。ジャズミックスが理想です。

― グレッグのドラムもスゴいです。
叩いているとバスドラがどんどん前に行っちゃうですよね。で、いつもセンダーブロックを置いてほしいって言ってるのに〈大丈夫だから〉って置かない時があるんですよ。そうすると1曲目で、もうステージから落ちそうなぐらいバスドラが前に出ちゃって。そうすると、曲を止めてセンダーブロックを置くまで待たないといけなくなってしまう。その間にちょっとテンション落ちてしまう。せっかく次から次へと曲を用意してるのに。あれはもうちょっときちんとしてほしいなっ(苦笑)

― それぐらい全力疾走で複雑な展開なのに、緩急の間合いとか音が入るタイミングがピッタリなのがスゴいですね。
私達ライヴの数がハンパじゃないんですよ。だから、なんか一緒に呼吸してる感じになってる。グレッグがいつ棒を振り下ろすか、みんな体で感じ取ってるとこがあって。

― 曲によってキッカケがあるわけですね。
ジョン(・ディードリック)がキューを出す時もあるし、私が歌い出したらとか、いろいろあるんですけど、はっきり決まっているわけじゃないから、その時によって違うんですよ。

― 即興は?
〈ここで即興!〉っていうふうには決めてなくて、勝手に即興になっちゃったりするんです。〈こうきたか!〉みたいな。突然あまりにもわけのわからない即興が来て、ほかのメンバーが〈何それ!?〉みたいなすごい顔している時もあります。

― たまにライヴでプレイヤーがテクニックを披露する即興タイムが始まって、観客が置いてけぼりになってしまうことがあるんですけど、ディアフーフにはそれがないですね。
嬉しいです。ディアフーフの曲は展開が多いので、お客さんも聴いてて楽しいと思うんですよ。あと、〈演奏が上手だな〉っていうバンドにはなりたくないんですよ。それより、お客さんと一緒にその時間を楽しめたらいいと思ってて。やっぱり、お客さんの前に立つからには、みんなと一体になるのが一番の楽しみ方だから。

― でも、この嵐のような演奏のなかでメロディーを見失わずに歌うのって大変じゃないですか?
モニターにはヴォーカルしか入ってないんです。(ライヴの演奏中には)ほかに何も聴いてない。スタッフに〈ドラムのモニター、いりますか?〉って言われても〈絶対いりません!〉と断ります(笑)。基本的に私が歌ってる時は、ジョンとエドとグレッグは歌にあうように弾いてくれています。

― その辺もチームワークですね。今回のライヴ盤に収録された曲でサトミさんのベストトラックを挙げるとしたらどれでしょう。
やっぱり最後の方かな。〈Come See The Duck〉とか、お客さんが歌ってくれたりしてライヴならではの面白さがあります。ライヴはお客さんと繋がる社交場みたいなものですし。〈いらっしゃいませ!〉みたいな(笑)

― ステージにあがる前に円陣を組んで気合いを入れたりはしないんですか。想像できないですけど。
やりません!(笑)そういうバンドもいるみたいですけどね、ナイン・インチ・ネイルズとか。でも、そんなふうに気持ちを違う状態にシフトするのってディアフーフには不自然な感じがして、いつもどおりの感覚ですね。〈じゃあ、みんなに会いに行こうかな〉みたいな雰囲気。演奏を始めたら自然にテンションは上がります。

― 今回のアルバムは、そういうライヴならではのテンションがダイレクトに伝わってきますね。
そうですね。ディアフーフのライヴに行ったことがない人でも、自分が体験したような気分になってもらえたら嬉しいです。で、〈ライヴに行ってみたいな〉と思ってくれれば良いなと。私も昔はライヴアルバムが好きで買っていました。ライヴアルバムの良さって、音の良さじゃないじゃないと思う。お客さんとの一体感が伝わってくるのが楽しいし、会場の音も聴こえてくる。今回アルバムは小さな会場でやってるからパワフルな音になってるし、そのパワーを聴いてもらえたら、それでいつかライヴに来て頂けたら嬉しいです。

― 選曲もベスト・アルバムっぽいし。
これまでライヴをやってきた経験をもとにして、自分達なりに研究してライヴ用に考えた選曲、アレンジなんです。バンドの関係も今すごく良くて、4人の個性が良い感じで音に出ていると思います。ドラムを聴いても、ギターを聴いても面白い。歌声もちゃんと聞こえるアレンジになってます。この20年でパフォーマンスの表現力も豊かになったし、今のところ最上の演奏がこのアルバムで聴いてもらえると思います。

― しかも、ライヴ映像のダウンロードも出来るっていう実にファン想いなアルバムですね。
そういえば、今回のツアーでほとんどのライヴに来てくれたお客さんが一人いたんですよ。最後が仙台だったんですけど、ライヴが終わってみんなと物販テーブルで喋ってたら、そこに彼が来たんです。それでステージを片付けようとしたら、まだアンプとか全部電源入っていたから、「あ、ついてる。じゃあ、カラオケやりましょう!」って言って、その彼にステージに上がってもらって〈Exit Only〉を歌ってもらったんです。ジョンとエドとグレッグを呼んで。

― 生演奏でカラオケ!?
そう。彼に歌詞カードとマイク渡して。あれも録っておけば良かったですね、ボーナストラック用に(笑)

satomi2
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  • 2015.10.21 On Sale
  • PECF-1126 / felicity cap-237
    [CD] ¥2,100 with tax
    日本先行発売

<TRACK LIST>

  • Exit Only
  • Paradise Girls
  • Let's Dance The Jet
  • Doom
  • Fresh Born
  • We Do Parties
  • Buck And Judy
  • Dummy Discards A Heart
  • Twin Killers
  • I Did Crimes For You
  • There's That Grin
  • Come See The Duck

-Bonus Track-

Bad Kids to the Front
Flower


PROFILE
DEERHOOFディアフーフ
DEERHOOF “FEVER 1216141994 年にサンフランシスコで結成以来、真にインディペンデントで自由な精神を守りながらも絶え間なく変化し続けてきた奇跡のロック・バンド。その旺盛な制作意欲と尽きることのない音楽的アイデアの豊富さには他の追随を許さないものがあり、トム・ヨーク(レディオヘッド)、ウェイン・コイン(フレーミング・リップス)、ジェフ・トゥイーディ(ウィルコ)、デイヴ・グロール(フー・ファイターズ)、クエストラブ(ザ・ルーツ)、デヴィッド・ボウイ、デヴィッド・バーン、アル・クーパーなど、様々バックグラウンドを持つアーティストたちから多大なリスペクトを受けている。天性のポップ感覚とワイルドなロック魂が融合するライヴ・パフォーマンスも圧巻。ザ・ナショナルのデスナー兄弟が運営するレーベル、ブラスランド所属のアーティスト、People Get Ready の新作をグレッグがプロデュースしたり、あのジャド・フェア率いるハーフ・ジャパニーズによる13年ぶりの新作をジョンがプロデュースしたりと、メンバー各自の活動もますます充実しており、目が離せない。

日本公式ツイッター
https://twitter.com/deerhoofjp

日本公式タンブラー
http://deerhoofjp.tumblr.com/
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<TRACK LIST>

  • Exit Only
  • Paradise Girls
  • Let's Dance The Jet
  • Doom
  • Fresh Born
  • We Do Parties
  • Buck And Judy
  • Dummy Discards A Heart
  • Twin Killers
  • I Did Crimes For You
  • There's That Grin
  • Come See The Duck

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