INTERVIEW

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羊文学 "トンネルを抜けたら" 奥冨直人氏コメント

  • 2017.09.29

FASHION&MUSICをコンセプトに掲げる東京・渋谷の古着屋「BOY(ボーイ)」のオーナーでもあり、恵比寿リキッドルームと一緒にイベント"Song For Future Generation"などもオーガナイズする奥冨直人氏によるコメント。

下北沢を中心に精力的な活動を行ってきた3人組ロックバンド・羊文学が、10/4(水) 待望の1st EP"トンネルを抜けたら"をリリースする。

このバンドとの出会いは、昨年の春の終わりに"春"という曲を聴いた事から始まった。
何気ないyoutubeの再生ボタンの選択から、突然の衝動的なイントロに度肝を抜かれ、下膊は鳥肌で覆われた。
僕は、直ぐに羊文学宛にCD取扱依頼のメールを送った。それは、振り返ればあまりにも急な事件だったと思う。
若さゆえの苛立ち、その時期特有の葛藤や後悔、そして決断と勇気。それらを丸飲みにしたかの様に感情をあらわにした圧倒的な詞世界。喜怒哀楽の中を泳ぐかの様な、不安定なのに芯のあるメロディー。
その全てが、僕の胸を強く打ち、固く締め付けた。

あれから約1年半。羊文学が作品を発表するのを待ちに待った。
ライヴではどれだけ沢山耳にした事があっても、この音楽はパッケージにしてもっと日常の傍に置いておきたいのだ。

既にライヴでは御馴染みの"雨"を皮切りに、代表曲でもある"春""うねり"と続く。
クリーンながらも尖った音質が、より楽曲の生々しさと危うげな青さを引き立てる。
中盤、最もダンスビートな"踊らない"は、細部のアレンジまでユニークな展開となっていて、羊文学の持ち味が一層活かされたナンバー。
その後の"Blue.2"では、日常に転がる空虚感や物足りなさを、このバンドらしい繊細なフィルターで表現している。
ラストを飾る"Step"は、別れを決意した人の次のステップを後押しする、切なくもたくましい1曲。現在の羊文学から見える景色を、ありのまま等身大で描いている。
楽曲後半のディストーションサウンドと語りかける様なGt/Vo塩塚モエカの歌声が、聴き終えた後も強烈に耳に残り、リスナーの心を掴んで離さない。

大人への階段を上る心揺れ動く時期に、この作品を生み出した羊文学。
あどけない表情と堂々とした姿勢が、こんなにもナチュラルに調和する事は極めて稀有と僕は思う。
この青さが溶け込んだ音に触れられる事も。

"トンネルを抜けたら"、そのトンネルの先には何が見えるだろう。
どんな景色が広がっているだろう。
この作品を聴き終えた頃には、少し答えが見つかっているのかもしれない。

奥冨直人 (BOY)




羊文学『トンネルを抜けたら』インタビューはこちら
https://1fct.net/interview/interview066

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  • 2017.10.04 On Sale
  • PECF-3188 / felicity cap-270
    [CD] ¥1760

<TRACK LIST>

  • うねり
  • 踊らない
  • Blue.2
  • Step
VIDEO


PROFILE
羊文学ヒツジブンガク
羊文学

VoとGtの塩塚モエカ、Baのゆりか、Drのフクダヒロアからなる、柔らかくも鋭い感性で心に寄り添い突き刺さる歌を繊細で重厚なサウンドにのせ、美しさを纏った音楽を奏でる3人組。2012年結成。2016年7月、FUJI ROCK FESTIVAL"ROOKIE A GO-GO"に出演。10月、カナダツアー(モントリオール、トロント、バンクーバー)「Next Music From Tokyo vol.9」に参加。2017年に現在の編成となり、現在までに、EP4枚、フルアルバム1枚、配信シングル1曲、そして昨年12月にクリスマスシングル「1999 / 人間だった」をリリース。生産限定盤ながら全国的なヒットを記録。今春2/5に最新EP「ざわめき」をリリース、そのリリースより先行してのワンマンツアー(1/18大阪・梅田シャングリラ、1/31東京・恵比寿リキッドルーム)はSOLD OUTに。 2020年 8 月23日(日)、FUJI ROCK FESTIVAL'20 出演決定。
2020年、しなやかに旋風を巻き起こし躍進中。

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  • うねり
  • 踊らない
  • Blue.2
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