INTERVIEW

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当真伊都子インタビュー~音楽に溶け、そして、世界に溶けてゆく作品

  • 2010.04.10

intervew & text:小野田雄
高木正勝との出会いから始まった夢の調べ
──まず、アルバム『rehome』(2003年)にヴォーカルで参加したことで、当真さんの存在が知られることになった高木正勝さんとの出会いについて教えてください。
「私は当時、ユラギハナイロというグループに参加していたんですね。フラメンコ・ギターの素養があるギタリストが作曲を手がけていて、フラメンコのような、ワールドミュージックと分類できるような音楽性だったんですけど、そこでキーボードとコーラスを担当しながら、アレンジを整える役目を担っていて。そのバンドが高木さんの岡山公演でフロントを務めることになって、初めてお会いしたんですけど、その時のライヴを見て、声をかけてくださったんです」
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──高木さんとのコラボレーションはどのように行われていたんですか?
「色んなやり方があるんですけど、彼が送ってくれた曲を聴いて、私が思い付いた言葉やメロディーを返して、それを彼に聞いてもらったり、直接お会いして、聴かせもらった曲に思いつくまま声を出してみて、それがそのまま曲になったり、その時々でフレキシブルなやりとりをさせてもらいました」
昼から夕方、そして四季を通じて行われたレコーディング。その数年間のベスト・テイク
──ソロとしての音楽活動はいつ頃から始められたんですか?
「本格的に音楽制作を始めたのは、『rehome』以降、ライブはその数年後からですね。ふとした瞬間に言葉を見つけた時自宅でピアノを弾いていて、メロディーや和音を見つけた時、感動が満ちた時に曲作りを始めて、それらの要素がパズルのように収まった瞬間に完成するんです。それを録音するのも自宅なんですけど、出来た曲を歌い弾いていて、自分と音楽と溶け合いそうな瞬間に録音ボタンを押すんです。そういう瞬間はなかなかやってこないんですけど、昼から夕方にかけて、四季を通じて録音したなかで、ここ数年間のベストテイクを集めたものが、今回のアルバム『ドリームタイム』なんです」
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──ピアノやその他の楽器に始めて触れたのは?
「4歳の時ですね。音楽を聴いたり、演奏するのが大好きな両親の元に生まれ育って、もともと家にピアノが置かれていたこともあるし、私は指が長い赤ん坊だったらしく、母は勧めてくれたこともあって、そんな自然な流れで弾き始めて、5歳か6歳の頃から数名の先生について、今も不定期ではあるんですけど、レッスンを受けています。それ以外の楽器では家にあるチェンバロを触ったり、中学の吹奏楽部でフルートとピッコロ、大学の選択副科でチェロを弾いていました」
──ちなみに普段はどんな音楽を聴かれているんですか?
「私は移り気なので、その時々でころころ変わるんですけど、クラシックでは、ドラマがあって、緩徐楽章が典雅なベートーベン、音が面白いシューベルト、小品の完成度が高いシューマン、冷静でいられないくらい引き込まれてしまうショパンが好きですね。J-POPやブルース、カントリー、ハードな音楽はあまり聞かないんですけど、ビートルズをはじめとするロック、ソウル、サントラやフォーク、何でも聴きますよ」
音楽に溶け、そして、世界に溶けてゆく作品
──そして、作品で聴かせて頂いた当真さんのヴォーカルですが、声楽の影響があるように思いました。
「そうですね。幼い頃から歌うのは大好きだったようなんですけど、大学入試で必要に迫られて、とても美しい声の先生に声楽を教わりました。残念ながら、その後、大学での声楽の成績は優良可で、いつも可でしたし(笑)、自分の声があまり好きではなかったんですけど、最近ようやく向き合えるようになりました。今回の作品では、自然の美しさや絵や写真を見て空想する物語、日々感じることや日々考えること、弱い自分にめげているさま、そんな自分を鼓舞する言葉を歌っているんですけど、リスナーの方とそんな心象が共有出来るといいなと思いつつ、心がけたのは、発声法や音程をなるべく整えず個性的な部分を残すこと。それから聴きやすさと聴き辛いの限界を意識しましたね」
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──今回の作品は、無駄なものをそぎ落としたピアノと歌のミニマムな表現を極めたことで、聴き手にとっては音と言葉の間で想像が夢のようにどこまでも膨らんでゆく作品になっているように思います。
「音数の多い作品に対する憧れはあるんですけど、今の私にはミニマムな表現しかなかったというか、逆に音数を増やすと、残念ながら無駄な音が散らかってしまうんです。だから、ミニマムな表現で、ピアノと声とその空間の響きや歌詞世界をフォーカスしながら、アルバム1枚を通じて、抽象的ではあるんですけど、波を描いたり、花の香りを吸い込むような、あるいは力強く立つような、そんな風にして世界に溶けていく感覚が伝わったらうれしいですね。今後も、今回のような小曲集を作り続けたいと思っているんですけど、それらの曲をアレンジしたり、それとは全く別で、音数の多い作品もお届けしたいですし、高木さんの作品に参加したように、コラボレーションも行っていきたいですね」

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dreamtime
  • 2010.04.07 On Sale
  • FCT-1002 / felicity cap-101
    [CD] ¥2,667 with tax

<TRACK LIST>

  • sound of dream
  • helpless
  • wind grow
  • dancer
  • word
  • as velvet
  • upstanding
  • timeless sleep
  • joy
  • hide it


PROFILE
当真伊都子Itoko Toma
当真伊都子インタビュー~音楽に溶け、そして、世界に溶けてゆく作品

1977年生まれ。岡山県出身。4歳の誕生日よりピアノを弾き始める。ライブでフロントをつとめたことがきっかけとなり、高木正勝の作品(rehome、sail、COIEDA)にヴォーカルとして参加。

参加作品
高木正勝の作品(rehome、sail、COIEDA)
参加ライブ金沢21世紀美術館、青山スパイラルホール、FORUM(バルセロナ)等でおこなわれた、高木正勝のライブにボーカルとして参加。

http://itokotoma.com

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