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THE GHOST OF A SABER TOOTH TIGER ショーン レノンのスペシャルインタビュー

  • 2014.06.30


THE GHOST OF A SABER TOOTH TIGER ショーン レノンのスペシャルインタビュー

ショーン レノンとシャーロット・ケンプ・ミュールのユニット、ザ・ゴースト・オブ・ア・セイバー・トゥース・タイガー(THE GOASTT)。4年ぶりの新作『ミッドナイト・サン』は、生楽器を中心にしたデビュー・アルバム『アコースティック・セッションズ』から一転し、エレクトリックなバンド・サウンドへと変化を遂げた。二人で様々な楽器を操りながら紡ぎ出すパワフルでファンタジックな音のタペストリーは、フレーミング・リップスやテイム・インパラなど、彼らが「ファミリー」と感じるポスト・モダンなサイケデリック・バンドと共通する実験性とポップ・センスを兼ね備えている。数々のバンドを手掛けてきた音響職人、デイヴ・フリッドマンをエンジニアに迎えて音作りにも一段と磨きがかかった本作は、THE GOASTTの新たなスタートを告げる重要作だ。

———— 前作に比べると、『ミッドナイト・サン』はエレクトリックなバンド・サウンドに変化しています。何かきっかけになるようなことはあったのでしょうか。
「ボブ・ディランがエレクトリックになった時みたいな感じかな。恋人同士がお互いを楽しませるためにベッドルームで曲を演奏しているような段階から、自分達で曲をプロデュースして録音し、世界に聴かせたいと思う段階へと移行したんだ。僕たちのアコースティックセッションの曲はデモみたいな感じで完成されたものじゃなかった。曲を真剣に完成させるには曲の可能性をもっと深く探っていく必要があるんだ。」

———— ユニットとして真のスタートを切った感じですね。アルバムに参加したミュージシャンについて教えてください。
「『Dark Matter』はアルバムのなかで最も初期に録音した曲のひとつで、初めてエレクトリックなサウンドに挑戦した曲なんだけど、そこでトランペットを吹いてくれているのはCJ・カメリエーレ。彼はボン・イヴェール、ポール・サイモンやスティングのバンドでも活躍している。ピート・ドラングルはクラシックのピアニスト。ドラムのヒュー・マラードはニューヨークに住んでいる友達。この3人と一緒にやっていた頃がエレクトリックへの移行期だね。今のバンドのメンバーは、チボ・マットでもベースを弾いているジャレッド・サミュエルと、ロブ・マンガーノ(ギター)、ティム・クール(ドラム)。彼らと最初にやった曲が「Long Gone」だ。基本的には僕とシャーロットでほとんどの楽器を演奏している。ドラム、ベース、ギター、キーボード、オルガン、メロトロン……僕らは楽器を集めるのが好きで、いろんな楽器を持っている。「Don't Look Back Orpheus」では18世紀のオルガンを使ったりもした。」

———— サウンドが多彩になったことに加えて、デイヴ・フリッドマンが手掛けたミックスが音に奥行きを与えていますね。
「実は数年前に一度、彼に頼んだことがあったんだけど、その時は彼が忙し過ぎて実現しなかったんだ。今回はスケジュールが合って、彼もすごく乗り気でやってくれた。ミックス期間中は僕とシャーロットでNY州のバッファローにある彼のスタジオに一週間滞在した。林の中にある丸太小屋がスタジオで、そこにあるキッチンで料理をしたりして、楽しく過ごすことができた。高音のレベル、ギターの音、ボーカルの質感についてなど、デイヴとはあらゆることについて話し合ったよ。エンジニアのなかには技術屋みたいな人もいるけど、デイヴはどちらかというとアーティストなんだ。彼からは学ぶことが多かった。彼の影響が大きいので、彼のことはもう1人のバンド・メンバーのようなものに感じている。」

———— フリッドマンがミックスを手掛けているフレーミング・リップスやテイム・インパラとは以前ライヴで共演していますが、彼らから刺激を受けたりしました?
「うん。彼らは素晴らしい。大好きだよ。彼らと僕たちはポスト・モダンのサイケデリック・バンドというコミュニティの一員だと思う。ファミリー感覚を持っている。」

———— あなたにとって〈サイケデリック〉とはどんな音楽ですか?
「僕にとって〈サイケデリック〉という言葉はとても個人的なものだ。すごく成熟した音楽で、根底には深い考えがあり、その音楽を聴くとどこか遠くへ連れて行ってくれるものと考えている。たとえば僕の感覚では、リゲティやストラヴィンスキーらのクラシック音楽も サイケデリックな作品と考えている。夢みたいな旅に連れていってくれるからね。そういう音楽を聴いていると、『不思議の国のアリス』に出てくるウサギの巣穴に引き込まれるみたいに、何かの物語の中に入って行くような感じがするんだ。」

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———— ゴーストの音楽にも特別な物語を感じさせますが、そんなサイケデリックなサウンドに、あなた達の美しいハーモニーが楽器のように溶け込んでいます。
「人間の声はすごく特別な楽器だと思う。肉体や脳を様々な方法で共振するこの優れた『声』と言う楽器を使って、ハーモニーを重ねることでとても力強い表現が可能になる。だからレコーディングにおいて、ハーモニーはとても重要なツールだと思っているよ。」

———— 混沌としながらも美しい本作は、まるでイメージの万華鏡の中を旅するようなアルバムですね。
「確かにこのアルバムは、世界を万華鏡を通して見ているような作品だと思う。でも世界というのはあまりにも不思議な場所で、万華鏡がなくても充分に奇妙だと思うことがあるよ。曲を書く時は現実のことをそのまま描く場合が多いけど、それは世の中があまりにも幻想的で、ありのままを書くだけでサイケデリックだからだ。」

———— では最後に、アルバム・タイトルについて教えてください。
「〈ミッドナイト(真夜中)〉と〈サン(太陽)〉という正反対のものを並列することで、ありえないことを表現している。でも、アイスランドや北欧には白夜というものがあり、実際〈ミッドナイト・サン(真夜中の太陽)〉というものが存在する。このアルバムの世界も、最初はあり得ない世界のことを覗いているように思えても、実際に見えているのは、どこかではあり得る現実なのかもしれない。『ありえなさそうな奇妙な現実』というのがTHE GOASTTのテーマなのかもしれないと思う。」


text : 村尾泰郎





THE GHOST OF SABER TOOTH TIGER 『MIDNIGHT SUN(DELUXE EDITION)』THE GHOST OF SABER TOOTH TIGER
『MIDNIGHT SUN(DELUXE EDITION)』


2014.07.02 On Sale

PECF-2003/4 | felicity cap-207
定価 : ¥2,300 + 税

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■収録内容
[DISC1](12曲収録)
1. TOO DEEP
2. XANADU
3. ANIMALS
4. JOHANNESBURG
5. MIDNIGHT SUN
6. LAST CALL
7. THE DEVIL YOU KNOW
8. GOLDEN EARRINGS
9. GREAT EXPECTATIONS
10. POOR PAUL GETTY
11. DON'T LOOK BACK ORPHEUS
12. MOTH TO A FLAME

[DISC2](5曲収録)
1. LONG GONE
2. DARK MATTER
3. EARLY WORM
4. DELILAH
5. BRAND NEW WORLD ORDER

*DISC2には、5月にスタートした米国&ヨーロッパツアーでのみ販売される全5曲のEP(アナログ)の楽曲を全て収録。
*歌詞対訳あり(DISC1)

詳細:https://1fct.net/releases/pecf-2003-4





「Animals」
http://youtu.be/KhcR4rdzzoM


「MOTH TO A FLAME」
http://youtu.be/pPAS8ygl1Gs






THE GHOST OF SABER TOOTH TIGER【プロフィール】
THE GHOST OF A SABER TOOTH TIGER (ザ・ゴースト・オブ・ア・セイバー・トゥース・タイガー)


THE GHOST OF A SABER TOOTH TIGER (ザ・ゴースト・オブ・ア・セイバー・トゥース・タイガー)はショーンレノンとシャーロット・ケンプ・ミュールのデュエットバンド。
多彩なコード感とメロディー感、知的で洗練された歌詞が特徴。
デビュー以来、フレイミング・リップスやテイム・インパラとのツアーや、ジャン・クロード・ヴァニエとともにハリウッドボウルで演奏するなど、精力的に活動。これまでにアルバム『ACOUSTIC SESSIONS』、ビニール素材EP(ソノラマ)盤『La Carotte Bleue』をリリース。
ミュールはモデルとしても活躍しており、映画「Greetings from Tim Buckley」にも出演している。ミュージシャンとしては10代でフォークデュオ、「KEMP AND EDEN」としてシングルをリリース。
写真家としても活動し、CHIMERA MUSICのアーティスト写真は全部彼女が撮影、後処理をしたものである。


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