シカゴから遠くはなれたここ日本でも数年でジューク/フットワークを作るアーティストが急増。ドラムンベース、ダブステップ、ヒップホップなどシーンを越えて新たなうねりとなっている。ジューク/フットワークが出現する前からシカゴ・ハウスを追いかけ続けてきたレーベル[BOOTY TUNE]を始めとして、新宿LOFTで開催されるイベント[SHIN-JUKE]や恵比寿KATA + Time Out Cafe & Dinerでのフットワークのダンス・バトル・トーナメント[Battle Train Tokyo]など日本独自のスタイルで確固たるシーンが築かれている。
そんなジューク/フットワークのレーベルの一つ[SHINKARON]に所属し、日本のジューク・シーンで一際メロウで切ないトラックを作り出しているのが、若きミュージシャン/プロデューサーのBoogieMannである。彼と、早くからジューク/フットワークに魅せられていたシンガーソングライター七尾旅人との出会いがこのジューク史上初かもしれない歌もののジューク曲「Future Running」の誕生に繋がっていく。2013年春、七尾がBoogie Mannの音楽を知り、すぐにネット上で出会ったことによりとてつもない早さで共作が始まる。七尾の「Juke for Teleport Nation」(TELE〇POTION収録)にはBoogie Mannが参加しているが、実はすでにこの時点で「Future Running」の原型は完成しており、何度か七尾がライブで披露しているのである。ジューク・シーンの中でもソウルフルなトラックメイキングが光るBoogie Mannと元来ダンスミュージックへの愛情も強く、シンガーソングライターながらクラブやヒップホップ・シーンにおいても絶大な人気を誇る七尾旅人。Boogie Mannによるトラックに七尾が歌を吹き込む作業は結果、ジューク/フットワークの様にこれまでの音楽では一言では表現し得ないような楽曲を完成させた。