石橋英子、シカゴの名門レーベル”DragCity”からの世界デビュー後、初となるオリジナル・アルバムが遂に完成! 全く異なる内容の英語詞/日本語詞で歌われた2枚組の意欲作。
シンガーソングライター、プロデューサー、マルチプレイヤーといくつもの顔を持ち、その振り切れた才能が極めて高い評価を受ける才女、石橋英子。近年だけでもジム・オルークのバンドメンバーを始め、前野健太・OGRE YOU ASSHOLEのアルバムや、七尾旅人の最新シングルに参加。多方面で欠かせないキーパーソンとして、その存在感が日に日に増してきています。数々の経験によって培われた、ソロ・アーティスト石橋英子としての決定盤となる5枚目のオリジナル・アルバムが、この春ついに完成しました。
2013年11月、その前年にリリースした『imitation of life』がシカゴの名門レーベル”DragCity”からもリリースされ、米New York Timesや英Guardianなど海外の主要メディアでも取り上げられるなど、彼女の底知れぬ才能はいよいよ海の向こうでも話題となりました。世界中から多くの期待が高まる中完成した最新作は、彼女が思い巡らすポップ・ミュージックを追求した完成度の高い作品に仕上がっています。最先端且つ、前衛的なアプローチにチャレンジし続け、それが今では考えられないほどの大ヒットとなっていた70年代までのポップ・ミュージック。本作はその時代に産み落とされた素晴らしい作品たちの1つであるかのように煌びやかで、感動的なアルバムとなっています。
全幅の信頼を寄せる、ジム・オルークが本作でもプロデュースを手掛け、鉄壁のアンサンブル「もう死んだ人たち(ジム・オルーク、須藤俊明、山本達久、波多野敦子)」も全面参加。また、本人による英語詞と全く違った解釈で書き上げられた前野健太による日本語詞の、類を見ない2枚組での発売にも注目です。この2枚は詞の内容もさることながら、楽器編成やミックスなども異なっています。さらにメイン・ヴォーカル、コーラスの歌録りにも時間を割き、浮遊感ある歌声が豊潤なサウンドと混ざり合い、予想できないハーモニーを生み出しています。
アートワークは彼女の作品には欠かせない、澁谷征司による撮り下ろし写真を木村豊(Central67)がデザイン。映像的な音の世界がヴィジュアルでも美しく表現された完璧な1枚となっています。
プロデュース・ミックス・録音: ジム・オルーク
参加アーティスト:
もう死んだ人たち(ジム・オルーク、須藤俊明、山本達久、波多野敦子)
高岡大祐
U-zhaan
類家心平
Kafka
前野健太
【Comment】
’76年のマニエリスムが再び有効になる季節が巡って来るとは思わなかった。だがそれは現実に起こっている。その証拠、それは彼女の優れた新作アルバムを聴いてみれば判る。甘美な迷宮、またはトリック・オブ・ザ・ディテール。
―― 石原洋
石橋さんと小さなクラブで音をだしたとき、自分のあたまのなかにいくつもの音の風景を感じることができた。気づけば僕は40分を超える彼女の即興演奏のなかで踊っていた。それから光栄なことに石橋さんのPVに参加させてもらったりした。いつも僕がおどってみたい音を生み出してくれる石橋英子さんの音の風景をみんなに感じてもらいたい。
―― 熊谷和徳
"a beautiful album. a wonderful collection of well composed and well crafted songs."
―― Christian Fennesz
昔読んだ、キャプテン・ビーフハートのギタリストであるズート・ホーン・ロロの著書に
「俺たちは迂闊にも気づかなかったが、女は『トラウト・マスク・レプリカ』を聴かないんだなー少なくとも非常に少ない」と書いてあった。確かにそんな気はする。
石橋さんは僕がはじめて会った『トラウト・マスク・レプリカ』が大好きな女性。
そんな?石橋さんの作るポップスはさりげなく不思議で美しい。
演奏やアレンジ、サウンドはめちゃくちゃ凝っているのにさらりと聴かせる職人技。
こういうポップスってあまり無い気がする。特に今の日本では。
―― 坂本慎太郎
"Smart & sophisticated Pop music with gorgeous harmonies, beautiful melodies, complex yet memorable arrangements and a voice that makes me feel like she is singing directly to me. Combine all this with great production by Jim O'Rourke and a group of musicians that clearly and deeply understand her music, knowing exactly when,where, and what to play and we have, what is for me, Eiko-san's best album and clearest statement to date. If I could only listen to one Pop album the rest of the year this would definitely be it!"
―― Darin Gray (On Fillmore)
英子さんが、ますます、英子さんになっている感じがしました。願わくば、このままずっとずっと英子さんになっていってください。そして、僕等に魔法をかけ続けてください。そう、彼女は魔女です。それも、かなり高濃度なオモシロ魔女。じゃないとこんなアルバム作れませんよ。
音楽が魔法であって当然だってこと、あらためて感じさせてもらいました。感謝。
―― 竹久 圏(KIRIHITO,GROUP,younGSounds)
英子さんの歌詞の世界には、いつも、たとえこの世が滅んでも捨て身で友を救うというシーンがある気がして、激しく感動します。私も、英子さんの音楽の旅路のどこかで、ひょっこり救われた一人なのかもしれない。前野くんの日本語詞とも、たまにリンクがあるのが面白い。日本語詞は、都会を歩きながら海や森の風景を幻視している女性の一人称的語りで、英詞は、遠くで暮らすもう会えない(会ったことすらない)友人への届かない手紙のように思える。どちらも「そんなつまらない世界ならばぶっ壊してしまえ、そのために私は、この音楽は、どんな力でも貸すから」と言っている。野っ原にうち捨てられた車と冷蔵庫、生命のない古びた物たちに、憤りとともに血が通う。華やかな街の灯りが消え、海が現れる。音楽が都市の姿を塗り替える。
―― 千木良悠子(作家、脚本家、演出家) NEW!!
すごく凝ったアレンジで複雑な曲なのに、そういう感じがまるでなかったようにすーと聞けてしまいました。
何故かすごくポップなアルバムでした。
―― 出戸学 (OGRE YOU ASSHOLE)
石橋英子さんのアルバムは、いつもひそかに「日本のロック」としての音楽表現を一歩ずつ更新している。いつも、新作が出る度に楽しみながらひるみながら聴かせて貰っています。
今回も果敢作だと思いました。
ただ、そろそろ今のチーム(パッケージも)をバラして、全て石橋さんによる完全な「ソロアルバム」を聴いてみたい、ともひそかに思っています。
―― 豊田道倫
人生を通してずっと聴き続けるようなアルバムって、実はほんの数枚しか出会えていなかったりする。
これは、久しぶりに手元に届いたそんな音楽だ。
―― ユザーン